おしぼりにも様々な種類が存在しますが、自動おしぼり機をご存知でしょうか。
使いたい時にすぐに作りだすことができるものですが、個包装タイプのおしぼりと似たようなイメージをすることもあるかもしれません。

しかし、実際には自動おしぼり機タイプと個包装タイプは特徴が異なっており、比較してみると自動おしぼり機にしかないメリットもたくさん存在します。自動おしぼり機と個包装タイプの違いについてみていきましょう。

個包装タイプのおしぼりのメリット


個包装タイプのおしぼりは、前もっておしぼりを作った状態にし、ビニールで密封されています。ひとつひとつを小分けにしているので、使いたい時にビニールを開封すればすぐに使うことができます。

前もっておしぼりを手作業で作っておかなくても、すぐに使用できるというのがメリットです。個包装タイプは基本的に使い捨てなので、使用後にはそのままゴミとして出すことができます。

個包装タイプのおしぼりの問題点とは?

個包装タイプのおしぼりは、毎回使い捨てとして使用できるので、衛生面についてはメリットが大きいですが、問題点も存在します。

問題点①長期保管に向いていない。

個包装タイプの場合ひとつひとつをビニールで密封していますが、保管期間が経過していくと中身が蒸発してしまい乾いたおしぼりの状態になってしまいます。よって大量に保管するなどには不向きといえます。

しかし、いざ必要となった場合に在庫が残っていないという事態も想定できるので、常に必要な量を確認しながら在庫を調整しなければなりません。

問題点② 毎回発生するビニールのゴミ

個包装タイプはビニールで密封されているがゆえ、使用する度にビニールのゴミが発生します。

1度に使う量が少ない場合はあまり気にならないかもしれませんが、1度に大量に使用する場合、ひとつひとつを手作業で準備しなければならないという手間がかかってしまいます。例えば、利用者様を片手で支えながら、もう片方の手でビニールを開けて広げるのは、なかなか至難の業です。

また、同時に発生するビニールのゴミも山のように大量となっていきます。他の職員や、利用者さんが床に落としたビニールゴミを見つけては拾う、という手間も考えられます。

問題点③ サイズの調整ができない

おしぼりは使用用途によって必要なサイズがその都度異なります。個包装タイプの場合、ほとんど一定のサイズとなっているため、場合によっては1枚では足りずに何枚も使用することになります。

よって多くの数が発生することになり、同時にゴミも発生するためコストが余計にかかることにも繋がります。

問題点④ 個包装タイプは紙おしぼりに近いような素材

個包装タイプのおしぼりは、ゴワゴワとした素材のものが多く、どちらかというと紙おしぼりのような素材のものが多いです。そのため、拭き取るというよりも、消毒するという印象を受けることが多いかもしれません。

身体を拭く際にも汚れが落ちにくいため、強く擦りつけてしまうと相手に負担を与えることに繋がってしまいます。

問題点⑤ 温かいおしぼりが作れない

おしぼりも場合によっては温かい温度の状態で使いたいシーンがあります。例えば清拭など、人の身体を拭いたりする場合などです。

使い捨ておしぼりは濡れているため、常温でも冷たく感じることもあり、人の身体を拭く際には相手に不快感を与えてしまい、特に冬場は利用者さんから嫌がられる場合があります。

その対策方法として、個包装おしぼりを保温庫で温めて保管することも可能ですが、その場合、電気代も考える必要があります。特に、経費削減を目的にされている方は、電気代がどのぐらいかかるも予め知っておく必要があります。

問題点⑥ 職員による持ち帰りリスク

個包装のおしぼりは、職員の中にはポケットに入れて持ち帰ってしまうという人もいるようです。数本程度なら大丈夫だと思われるかもしれませんが、年間で見ると無視できないコストにもなりかねません。

だからといって、毎日使い捨ておしぼりの本数を数えるわけにもいきません。個包装タイプを使用する場合は、職員による持ち帰りのリスクや、紛失のリスクをある程度想定した上で、使用方法や保管方法を考える必要があります。

自動おしぼり機の特徴

自動おしぼり機は、個包装タイプのようにビニールで密封しておらず、使いたい時に機材でおしぼりを作り出すタイプです。

個包装タイプのおしぼりと比較するとメリットがたくさんあります。個包装タイプで問題点として挙げた内容と照らしあわせながら、みてみましょう。

特徴① 長期保管に優れている自動おしぼり機

自動おしぼり機の場合、布に限りなく近い素材のロールを保管しておき、いざ使用する時には機材にセットしてから製造するため、個包装タイプのように完成した状態で保管することはありません。

そのため、長期保管に適しており、使用する原料も人体に影響の少ない安全性の高いものを元に作られています。

原料もタンクに入れて保管できるため、個包装タイプのように蒸発してしまう心配もありません。

特徴② 使いたい時に製造するため、ビニールのゴミが発生しない


個包装タイプではひとつひとつがビニールで密封されていたため、多量のビニールごみが発生するという問題点がありましたが、自動おしぼり機の場合はビニールを使用していないので、ごみが発生することがありません。

ロールを機材にセットした状態で、ボタンを押すとすぐに使える状態になったおしぼりが製造されます。使用後は個包装タイプと同様に、そのまま燃えるごみとして出すことができます。

使いたい分だけおしぼりのサイズ変更が可能である


自動おしぼり機では、使いたい分だけおしぼりのサイズを変更することが可能です。

食事前に手を拭くなどの目的で使用する時は、比較的小さなサイズで使用することもできます。

また、人の身体を拭くなどの大きなサイズが必要な時にも、その大きさでおしぼりを作ることができます。準備する時間も短縮できるので、職員の負担軽減にも繋がります。

自動おしぼり機は布素材に限りなく近い


自動おしぼり機に使用されているロールは、従来の紙おしぼりとは比較にならないぐらい素材品質に力を入れています。人肌に触れる際には、布素材に近い質感であることにより、あらゆるシーンでおしぼりを使用することができます。

紙おしぼりの場合は、汚れを拭き取ることには向いていないので、汚れを拭きとろうとしてもそのまま広がってしまうことがあります。特に身体の汚れを拭き取る場合には、布に近い素材のほうが拭き取りやすく、相手にも負担をかける量が少なくて済みます。

自動おしぼり機は全身に使用することができるので、清拭などにも安心して活用することができます。

自動おしぼり機は温かいおしぼりも作ることができる


個包装タイプでは、温かいおしぼりが作れませんが、自動おしぼり機では作ることができます。専用の保温パックを電子レンジで温め、機材で作ったおしぼりを保温ボックスの中に入れていきます。

専用ボックスとパックを組み合わせることにより、最大80本までおしぼりを温めることができるようになっています。

移動用保温ボックスの使い方

また、保温パックは電子レンジで何度も温めて使うことができるようになっており、繰り返し活用できます。長時間温かい温度を保つことができるので、温かい状態のまま清拭をおこなったり、手を拭いたりすることが可能です。

まとめ

個包装タイプは使い捨てで使用できるという点ではメリットですが、長期で保管しながら使う場合や、多目的に使用する際にはデメリットが見えてきます。

自動おしぼり機の場合、個包装タイプのメリットと同様の使い捨てタイプな上、長期保管に優れ、使いたい量、サイズを任意に変更することができます。

また、紙おしぼりのようなゴワゴワした素材ではなく、吸収力にすぐれ、限りなく布に近い素材を採用している自動おしぼり機は、全身のあらゆる箇所に安心して使用することができます。

そして、保温パックを併用することにより、温かいおしぼりが必要な時にもすぐに用意することができるという点は、身体の一部だけの利用目的だけに留まらず、全身に使用することが可能となりました。

病院や介護現場でも安心して使用することのできるレベルまで完成している自動おしぼり機は、あらゆるシーンでの活躍が期待できることでしょう。